阿寒摩周国立公園は森と湖と火山、そして温泉で彩られた国立公園です。この阿寒摩周国立公園の中核阿寒湖温泉には、毎年多くの観光客が訪れますが、この阿寒湖温泉のほぼ全域のホテル等へ癒しと安らぎの温泉を供給しています。
また、公共施設やホテルに加え、一般家庭などにおいても、供給された温泉をヒートポンプや熱交換器によって冷暖房や給湯に利用した後、浴用利用するなどして有効活用されています。
この事業の収益は、自然普及事業と森林保全事業のために役立てています。
No. | 源泉名 | 温度 | 泉質名 |
① | 新2号源泉 | 59 ℃ | 単純温泉 |
② | 新7号源泉 | 41 ℃ | 単純温泉 |
③ | 11号源泉 | 61 ℃ | 単純温泉 |
④ | 12号源泉 | 64 ℃ | 単純温泉 |
⑤ | 13号源泉 | 68 ℃ | 単純温泉 |
⑥ | 14号源泉 | 単純温泉 休止中 | |
⑦ | 15号源泉 | 62 ℃ | 炭酸水素塩温泉 |
⑧ | 16号源泉 | 52 ℃ | 単純温泉 |
⑨ | 正次6号源泉 | 56 ℃ | 炭酸水素塩・塩化物温泉 |
⑩ | 正次7号源泉 | 60 ℃ | 単純温泉 |
⑪ | チップ川源泉 | 50 ℃ | 単純温泉 |
⑫ | 神社源泉 | 60 ℃ | 単純温泉 |
⑬ | 河田2号源泉 | 61 ℃ | 単純温泉 |
現在、財団所有源泉は全部で13源泉あり、その内稼働している11源泉からホテルや公共施設、個人住宅など約70件に毎分約3000ℓ(平成31年3月現在)を供給しています。
温泉資源を有効かつ効率的に活用するため、自動制御装置の整備などを行い、温泉資源の保護に努めています。
直送方式とは源泉と供給先を一本のパイプで直接結び、水中ポンプの圧力を利用し温泉を送る方式です。
この方式では温泉が空気に触れないため、温泉を酸化させずフレッシュな状態で供給することができるようになりました。また、スケール(酸化物)の発生も抑えることができ、管理も容易になりました。
2次元比抵抗構造
赤~白にかけ比抵抗値が低く、一般に比抵抗値が低いと高温であるか含水率が高い。
(電磁気探査調査結果より)
地方独立行政法人北海道立総合研究機構地質研究所への委託調査により、電磁気探査等の調査から地下構造を解明することができました。
それによると、阿寒湖温泉の西側の地下深部で熱水が上昇、一部が自然湧出し、大部分は湖畔側に向かい、阿寒湖温泉市街地の地下で貯留槽を形成していることが解りました。
(阿寒湖温泉の温泉資源量評価に関する研究報告書より)