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自然普及事業
Natural Environment Conservation Activities

Environmental Conservation Activities
To preserve the environment and promote its conscientious use, the foundation conducts surveys, research, education, human-resource development, public recognition, and other focus projects.

[Surveys & Research]
Academic research by the foundation extends to many areas. These include the natural history of the Akan area, protection and management of wildlife and marshland ecosystems, and general forest management. The foundation has also compiled reports and books about the Maeda Ippoen forestlands.

調査研究事業

 阿寒地域の自然史、野生生物の保護管理、森林管理などの各種学術調査研究を実施しています。
 これまで「エゾシカの植生に及ぼす影響および植生の保全に関する基礎調査」や、「北海道の湿原生態系にかかる調査研究」、「前田一歩園の森林編纂」などを実施。現在は、「阿寒川水系の水と森林に関する調査」に取り組んでいます。

阿寒川水系の水と森林に関わる調査

調査概要

 当財団では、平成16年から阿寒川水系の2河川(“チクショベツ川”、“キネタンベ川”)に水位計・サンプル回収装置・雨量計を設置し、データならびに水のサンプルを回収するとともにサンプルの分析(河川流入土砂量と雨量・水位の分析)を実施しています。さらに、平成27年度より、マリモの生息するチュウルイ湾に注ぎ込む“チュウルイ川”を新規に調査対象河川として追加し、現在合計3河川にて調査をしています。
 この調査は、森林内で斜面崩壊等の理由による特異な土砂流出が生じていないかチェックし、そうなった場合迅速に対応するための情報を得ること、また長期的な森林と河川(水)との関係の基礎的データを収集することを目的としています。
 これまでの調査期間中は、降雨量や土砂濃度の観測結果を基にした土砂量から勘案し、周辺の環境に大きな影響を与えるような特異な土砂流出は観測されていません。
 これらの調査結果は、平成16年度から平成20年度までの5年間の結果の報告書と、平成21年度より各年度ごとの報告書としてまとめています。


<図-1. 調査地点位置図>


水サンプルを毎日1リットル収集し、土砂濃度を計測
(6月上旬の雪解け後~凍結前の11月上旬まで調査を実施)

<図-2. 調査状況(チクショベツ川)>
平成16年度から平成20年度の調査結果について

H20年度報告書“はじめに”より

 前田一歩園の森林は、阿寒湖の集水域の大部分を占め、阿寒国立公園の景観および自然環境の保全の上で大きな役割を果たしている。2004(平成16)年度から始まった本調査研究事業では、阿寒湖に流入する無数の小河川の中から2河川を選び、雨量、水位、河川流水中の土砂濃度等を連続観測してきた。
 森林施業に伴う林道・作業道の開設・利用、林地表土の攪乱、植生構造の改変等の行為は陸域から水域への物質流入状況を変える可能性を持っている。物質流入は降雨状況により時間変動・日変動するが、突発的変化が生じた場合には、何故変化したのかを管理者は検討せねばならない。
 とりわけ人的行為との因果関係が推察されたならば、即時に対策を講ずる必要が出てくる。なぜならば、阿寒湖への過剰な土砂流入は独自の湖水生態系に大きな影響を及ぼす可能性を持つからである。
 阿寒川水系は、国の貴重な自然景観資源である阿寒国立公園の核心的要素である。その環境保全のため、森林と水に関わる基礎的データを着実に蓄積しつつ、その時系列変化を注視していきたい。そのような努力の成果は、今後の北海道の自然資源および生態系管理にとって大きな指針となるに違いない。


平成21年度以降の調査結果について

H21報告書”はじめに”より

 財団法人前田一歩園財団所有の森林内を流れ、阿寒湖に流入する無数の小河川。2004(平成16)年度から始まった「阿寒川水系の水と森林に関する調査研究事業」では、小河川の中から2河川を選び、雨量、水位、土砂濃度等の連続観測を継続してきた。
 森林施業に伴う林道・作業道の開設・利用、林地表土の攪乱、植生構造の改変等の行為は陸域から水域への物質流入状況を変える可能性を持っている。物質流入は降雨状況により時間変動・日変動するが、突発的変化が生じた場合には、何故変化したのかを検討せねばならない。
 とりわけ人的行為との因果関係が推察されたならば、即時に対策を講ずる必要が出てくる。なぜならば、阿寒湖への過剰な土砂流入は独自の湖水生態系に大きな影響を及ぼす可能性を持つからである。阿寒川水系の環境保全のため、基礎的なデータの蓄積を地道に続けていきたい。