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自然普及事業
Natural Environment Conservation Activities

2011年度(平成23年度)自然環境保全活動助成事業報告


突哨山のコウモリの生態調査とコウモリ地図の作成

オサラッペ・コウモリ研究所 出羽寛・清水省吾・村山美波

ありがとうございました。貴財団の助成金のおかげで、大変面白いコウモリの行動実験とコウモリ観察会の開催、およびコウモリ地図の作成ができました。


コウモリ人工飼育用の実験・観察施設

コウモリの生態調査
 カグヤコウモリとヒメホオヒゲコウモリの行動実験は、突哨山の麓にある農業用ビニールハウスを寒冷紗と遮光ネットで改造した実験ハウスで行いました。実験の目的は、生木の樹洞をねぐらに使うカグヤコウモリと枯れ木の樹皮下をねぐらに使うヒメホオヒゲコウモリのねぐら選択の分離には、両種の競合関係が作用しているのかどうかを調べることでした。実験ハウス内に樹洞のある生木と樹皮剥離のある枯れ木をそれぞれ2本配置して、ヒメホオヒゲコウモリを単独で入れた場合、カグヤコウモリを単独で入れた場合、両種を同時に入れた場合の3種類の行動実験で、それぞれの種がどちらのねぐらを利用するのかを調べることでした。この3種類の行動実験を6月24日から9月16日までそれぞれ2回ずつ繰り返して行いました。このホオヒゲコウモリ属の種についてのハウスでの行動実験はおそらく日本でも初めての試みで、実験が成り立つのかどうかがまず問題でしたが、次のことが分かりました。

1. 実験開始の当初はねぐらを使わず天井やドアの窪みに張り付いていましたが、3〜4日目頃からねぐらを使い始めました。餌は夜間採集で捕獲した蛾類をハウス内に放し、水は地上1,3mの台上のトレイに入れて与えましたが、はじめの個体は餌不足で死亡、その後は夜間に捕獲してミルワームと水を与えることで、半月ほどの行動実験が可能であることが分かったことは大きな成果でした。

2. 実験の結果、単独で入れたときも両種を同時に入れたときでも、両種とも樹洞も樹皮下のどちらもねぐらに使いましたが、ヒメホオヒゲコウモリは主に樹皮下をねぐらに利用し、カグヤコウモリは樹洞と樹皮下を同じ位の頻度で利用する結果になりました。しかし、実験の目的である種間の競合関係の影響については、まだまだデータ不足で、継続して実験を行う必用があります。

3. この実験の経過で、両種とも地面の水たまりからの水飲み行動が比較的頻繁に観察されました。しかも、地面に降りて水を飲む行動が観察されたのは初めてかも知れません。また、9月になると発生する大型の蛾、クスサンをヒメホオヒゲコウモリが捕食する行動も観察されました。小型のコウモリ類は一般的には小さな蛾や甲虫等の昆虫を食べると考えられていましたが、クスサンの体重はヒメホオヒゲコウモリの体重の約30%弱もありました。実験ハウスで観察されたこれらの行動は野外で確かめる必用がありますが、水飲み行動も大型の蛾の捕食も日本ではほとんど報告がなく、現在東洋蝙蝠研究所の紀要に投稿中です。


コウモリ観察会より

コウモリ観察会
 今年は市民を募集してのコウモリ観察会を旭川市の神楽岡の森で1回(参加者12名)、突哨山で3回(参加者18名、20名、19名)、旭川神社で1回の合計5回行いました。突哨山では3回とも稜線にカスミ網を張って捕獲作業を行う観察会で、2ないし4種類のコウモリが捕獲され、特に子ども達は興味津々でした。旭川神社での観察会は強い雨になり参加者は5名と少なく、ヤマコウモリの出巣も見ることができず、標本を使っての解説を行いました。
 また、コウモリ類の行動を野外で直接観察することは困難ですが、今後は、ハウス内で水飲み行動や蛾などの捕食行動等を観察会の内容に盛り込むことが可能になりました。

あさひかわコウモリ地図の作成
 9月16日で今年の行動実験が終了した後、10月中旬からコウモリ地図の作成を始めました。研究所のメンバーの3人で今年3月までに10回ほど集まって検討を重ね、4月中旬には完成しました。旭川地方に生息する12種のコウモリを「森のコウモリ」「市街地や農耕地のコウモリ」「公園や神社のコウモリ」「洞窟をねぐらにするコウモリ」「水辺のコウモリ」に分けて紹介しているほか、コウモリの生活、種の識別法、観察方法やコウモリの生息環境の保全にも触れています。カラーで1000部発行、旭川地方の小・中・高校および大学に2部ずつ、他関係団体や市役所などに合計400部ほど配布し、今後の環境教育や野外学習の際に活用してもらうことを(講師の派遣も含め)考えています。



2011常呂川水系市民探検調査

NPO法人常呂川自然学校

本事業は、地域市民に実際に触れることで自然地域財産を実感してもらう事を目的しています。また、埋もれている地域自然財産を「市民力」で発掘する事も目指しています。
今回の活動では「市民調査会」を行い地域方々に地域財産に触れてもらい機会を設け「定期魚類調査会」への関心を設けました。また、定点での「定期魚類調査会」では魚類調査のトレーニングをかねて開催し市民力育てる取り組み地域財産発掘を行いました。
「市民調査会」では、参加者からの関心を高める事ができた。実際に街なかの川に入りヤマメが居事に驚(◎O◎)。流速計やPH計による測定体験で自分の足元の川環境を知る事ができた。また、参加者もアンケートからも川へ関心を持ち楽しく参加いただいた。
「定期魚類調査会」では、「市民力」が育ち始めた。当初は調査に手間取っていたが終盤にはすっかり手際よく識別も含めて調査が行えるようになった。また、今回4年間調査を初めてサクラマスの産卵行動を目視確認し12月にはヤマメ稚魚らしき物が捕獲し命の再生産が確認できた。データーの分析からも、フクドジョウ生態の謎や河川内の土砂移動等の課題も生まれて来た。
今後も、市民を巻きこんで上記活動での継続行動ある「ところかわ学」プロジェクト推進して地域社会のまちづくり貢献していきます。


常呂川水系河川での市民調査会の模様



春と秋の自然観察会と田んぼの学校開催

NPO法人 北海道田園生態系保全機構

特定非営利活動法人北海道田園生態系保全機構は、前田一歩園財団自然環境保全活動助成事業に採択された「春と秋の自然観察会と田んぼの学校」を、新十津川町幌加の田んぼと山や川を舞台に、地元や札幌近隣の子供たちが一緒になって、体験学習を行いました。
 自然観察会では、田んぼと過年度に造成したビオトープの昆虫や水生動植物を確認しながら周辺の植物、樹木、野鳥、川そして魚などを観察しています。当日は、ビオトープで事前に捕獲して水槽に入れてある水生動物を見ながら、背中に空気がついているマツモムシの生態、サンショウウオとカエルの卵の違い、ドジョウとフクドジョウの見分け方と生息環境の違いなど、それぞれの特徴を学びました。また、ビオトープの周りで採取しておいた植物の葉をもとに、その植物の花を子供たちに探してもらい、植物の由来や特徴などを学習しました。「オクエゾサイシン」「オオタチツボスミレ」「ミヤマスミレ」「セイヨウタンポポ」「ツクシ」など、しっかり観察しないと探しきれない植物です。
秋には林の中に入って、松の見分け方の学習をしました。葉の先が2つに分かれている「トドマツ」、秋になると葉を落とす「カラマツ」など。そして、「松ヤニ」を小さい枝の先につけて水に浮かべるとどうなるのか実験しました。子供たちの反応は「オー動いた」「ワー走る」「すごい」と驚いていました。それから、熊の餌になる「山ぶどう」や「コクワ」、花が咲くとアジサイに似ている「ツルアジサイ」などを見つけました。


春の幌加の川では、事前に作成した「幌加に棲む魚たち」というパネルを用意し、水槽に捕獲した魚を見ながら、エゾウグイ、スナヤツメ、フクドジョウ、ハナカジカなどの特徴を学習しました。
また、秋には土に穴を掘らないで段ボールで簡単に植樹ができる「カミネッコン」による桜の木を植えました。子供たちは段ボールの組み立てに苦労しながら、根が強くなるような肥料を配合した培養土を敷きならして苗木を植えました。このまま越冬し、根が徐々に段ボールを破って伸びて、大きな木に成長します。
田植えは、素足で田んぼに入りおばちゃんに手本を見せてもらいながら、曲がりまっすぐの田植えを経験しています。稲刈りは、春に皆で田植えした黄金色に輝く田んぼで、幌加の皆さんの協力のもと、「稲をつかむ位置」「刈取る位置」「鎌の持ち方、使い方」「刈取る姿勢と足の位置」の指導のもと「刈取った稲の束ね方」「束ねた稲を背負ってハサに運ぶ」「ハサ架け」など、今ではもうやらなくなった手作業による一連の作業の体験をしました。
 講師の方々は、事前に説明用パネルを作成してきて、早朝から現地に入り植物や水生動物の展示の準備と、周辺の環境を事前に調べて確認し、参加した子供達にわかりやすく説明しています。子供たちが自然に手を伸ばし、植物や水生動物に触れたり捕まえたりして観察することの大切さを大事にしています。
子供たちは大人になっても、ここうした体験は決して忘れないと思います。
近年、子供達は自然に触れ合う機会が少なくなっていることから、今後も関係者の理解を得ながら継続し活動を積み重ねていきます。

特定非営利活動法人田園生態系保全機構
理事長  常  松   哲



子ども・学生・市民を育てる自然体験活動事業

くしろ森の楽校

本事業は,平成23年度「前田一歩園財団自然環境保全活動助成金」により進められました。
鶴居村瀬川牧場(瀬川貴志代表)のご厚意により,森と小川をフィールドとして提供していただき,そこで「くしろ森の楽校」(=瀬川さんの森)の自然体験活動を年6回実施してきました。
「くしろ森の楽校」は,全体の参加者20名ほどの小学生を異年齢グループ3名から4名ほどの基礎集団とし,この集団を中心に森の中での遊びを年6回実施したものです。
活動を進めるにあたり,指導者としてガキ大将的な役割を持つ学生が毎回7名ほど参加しました。
「焚火をしたことがない」「山菜を採って食べたことがない」等学生自身の自然体験不足もあり,「森の楽校」実施前に「研修会」を行い本番に備えました。
その研修会では,森と豊かな関わりを持っている市民ボランティアの方たちの協力により,森と関わる知恵とわざを学生たちに指導していただきました。
協働した「釧路子ども劇場」役員の方も,楽校当日ボランティアで参加されました。
自分の木を決め1年間グループで関わった「私の木」プログラムにより,単なる森ではなく,「私の木が生きている森」という意識から,森を想う気持ちが育ちました。
2~3人ごとに,決められた区域で自由に「魚を釣る」プログラムでは,最後まで責任を持って釣る姿が印象的でした。
「山菜を採って天ぷらにして食べよう」プログラムでは,山菜の発見,どんな味がするのか‥,五感を通して森と関わりました。
秋には,木の実を探して食べたり,「私の木」を飾る木の実のリース作りを実施しました。冬には,動物の足跡探し・そり滑り・雪合戦,グループごとの小さな焚火と焼きおにぎり作り,アイスクリーム作りを楽しみました。
年間を通じて森と関わり木登りやツリ―ハウス作りを行い,森と遊ぶ楽しさを体得してきました。
以上6回のプログラム実施から,子どもの自然体験プログラム開発,子どもの自然体験指導法と大人の関わり,子どもの成長・発達における自然体験の持つ意味,等についての基礎的な認識が深まり,活動報告書『森を子どもの遊びと学びの場へー「くしろ森の楽校・森の幼稚園(瀬川さんの森)」の取り組みー』にまとめました。
今後,更なる発展を目指していきたいと思います。ありがとうございました。


鶴居村瀬川牧場周辺森林での活動の様子



ビーチクリーン(海辺の清掃活動・緑化活動)

蒼い海

□海辺の清掃(ビーチクリーン)
海水浴客などで賑わう、留萌のゴールデンビーチ周辺や、海辺や夕陽を楽しみに訪れる黄金岬、釣り客などが集まる留萌港周辺など、留萌全体の海辺の清掃を、4月から9月までのほぼ毎週土曜日に行いました。

□海辺の緑化活動
海辺を訪れた方々が心地よく過ごせるように、海辺の緑化活動にも力を注ぎました。
まず、留萌海岸沿線の歩道わきの緑地帯に植えられた「はまなす」の整備をしました。
又、荒れたままの緑地帯に「コスモス」を植えました。(約500m、650株)
そして、絶滅しかかっているハマボウフウを繁殖させる取り組みも始めました。

□環境教育 
清掃体験をすることにより、子どもたちの地域環境に対する意識の向上を目指して幼稚園児から高校生を対象に「子どもたちと共にきれいな海岸をつくる」プロジェクトを立ち上げてお立ち上げ、子供たちに環境教育の支援を行いました

具体的な取り組みとしては、
■ビーチクリーン《清掃体験》への参加要請・協力支援
定期的ビーチクリーンへの参加要請。別日程での清掃体験への協力支援。
■道具の貸し出し・寄贈
活動時には清掃道具の貸出し。継続する場合は寄贈。
■教育への支援【講師・展示物の無償貸出し】
海の取り組みを紹介するなどの講演活動。海外からの漂流物の展示物の貸出し。
などとなっています。 

□地域イベントへの参加
留萌の魅力の一つ、地元の新鮮な魚介類(ホタテ・いか・たこ)などを多くの方々に知ってもらい、街の活気につなげるため、留萌港で開催される「うまいよ!るもい市」に参加し、これらの特産品を炭焼きで提供しました。イベント参加は今年で7年目となります。


高校生によるビーチクリーン活動の様子



「地域の人々と元気な森づくり」20周年記念誌発行事業

NPO法人 森林遊びサポートセンター


子供たちによる森での活動の様子

平成3年の新春に、森を愛し、森に親しむ同志十数人が集い「札幌森友会」が発足し、森づくりやアウトドアの活動を続けているうちに、20年の歳月が経ちました。
 今回創立20周年の区切りとして、これまでの歩みを回顧しながら、これからの活動への一助となればと考え、記念誌を発行することになりました。
 記念誌発行にあたっては、財団法人前田一歩園財団から「自然環境保全活動助成金」の交付を受けて、本誌を発行出来ましたことを心から厚くお礼を申し上げます。

1 設立経緯と活動目的
(1) 平成3年4月1日 札幌森友会 発足
 ○人々とほんものの自然に親しみ、豊かな心と強健な身体をつくり、心身の健康と親睦を図る。
(2) 平成15年5月13日 特定非営利活動法人 森林遊びサポートセンター の認証を受ける。
 ○地域の人々と植樹や育樹のボランティアと、森林遊びを取り込みながらの自然ふれあい活動を行う。また、子供たちの森林環境教育として、学校林の植林から下刈り体験と、森林の器具を使っての多様な森遊び活動を行い、自然環境保全意識の高揚に努める。

2 活動の取り組み
(1)森づくりの歩み
 当会では平成六年に国有林と「よみがえった森・記念植樹」の協定を結びボランティアの森づくり活動の始めとし、現在まで植樹から間伐までの各作業と、フィールドも国有林、北海道有林、札幌市都市環境林、学校林等の広範囲で取り組んでまいりました。
 昨今の森づくり活動は、地球温暖化防止の社会的動きの背景もあり、盛んに協働の取り組みが進められておりますが、当会でも行政機関やら諸企業、諸団体と協働し、活動の継続安定と作業の安全に努めております。
(2) 森林環境教育活動開
 学校林を活用しての森林環境教育を、札幌市立藤の沢と駒岡の二小学校林において、地ごしらえから始まり植樹、下刈と、森林・林業の器具を使っての多様な森とのふれあい活動を通じて、「自然を大切にする心と豊かな人間性を育む」活動に努めております。

3 あした(未来)に向けて
 今やこの国においては高齢化社会への急進、国内の未曽有の災害対応等の課題が山積しております。
 このような厳しい社会的背景の中で、会員の高齢化対策から若い層の入会促進等、これからの活動にさらに強く取り組んで行かなければなりません。
 また、各行政機関や諸団体等との協働を大切にして安定した運営と、安全安心で活動ができる環境づくりや、みんなが快適な活動ができるように努めなければなりません。
 なお、20周年記念誌には創立初年からの活動概要や、「創立20年の歩みを踏まえ、あした(未来)への取り組み」と、いろいろな実践活動の写真を多く入れながらの現況紹介をいたしました。
 是非ご一読いただき、この記念誌が森づくりに取り組んでおられる皆様の活動に少しでも参考になればと念じます。



「遠軽町の野生植物ガイドブック」の出版

林 廣志

当初は、友人の松井洋氏(前北方山草会会長)の勧めで、遠軽町の植物目録を作ることを目的に始めたことでした。経験のない押し葉標本作りもなかなか大変でした。標本として、できるだけよい個体をと、イワカゲワラビなどは、ソーラスをなかなかつけず、四年ほど通いました。又、ミツバアケビは、気候が合わないらしく、何年通っても開花個体は採集できませんでした。(二〇一一年に別個体の開花を見ました。)更に、町内の植物に関する情報もほとんどないまま、闇雲に、たった一人で山野を歩き回る毎日でした。そんななかで、町内の植生について、私なりの面白さにも気づきました。具体的には、このガイドブックの「遠軽町の周辺の自然と植物」の中に記してあります。町村合併で町の面積が何倍にも拡がったりして、結局八年を費やし、八百種を超える標本を採集し、その枚数は三千を超えました。これで遠軽町の植物相のおおよそは、わかっていただけるだろうと考え、区切りをつけることにしました。
ところが、せっかくなので、目録だけではなく、ガイドブックの形にまとめてはどうかと松井氏から更なる勧めがあり、この事業に発展することになりました。何とも主体性のない出発でした。
ガイドブックの出版など、とても私には無理と断っていたのですが、松井氏は勿論、それまでもあれこれとお世話になっていた、五十嵐博氏(北海道野生生物研究所)も手助けしてくれるということで実現に向かうことになりました。出版にかかる費用は、こういった事業に助成する団体があるので申請してみてはと促されまさかと思っていたところ、認定され、不安が更に大きくなりました。ともあれ先へ進むことになり、次のような柱をたてました。

○身近な種・町内希少種・絶滅危惧指定種・特定外来生物指定種に分けて掲載する。
・遠軽町の植物相をとらえやすい。
 ・まずは、足元に目を向けてもらう。
 ・子供達にも利用しやすい。
○写真ではなく、絵を使う。
 ・見分けのポイントをはっきりさせやすい。
 ・子供達に利用してほしい。
○主目的であった標本目録を入れる。
 ・多少なりとも学術的に貢献したい。
 ・学名をこちらへ入れる。

以上を柱にして、A5版・カラー印刷・一〇〇ページ・一,〇〇〇部を町内の印刷屋に発注することにしました。発注先印刷屋は、以前「丸瀬布の自然」を手がけた実績のある、有限会社丸瀬布印刷にお願いすることにしました。
作業としては、まず、身近な種・遠軽町の希少種として採用する種の選定。これは私の独断で決めました。次の作業は、それぞれの種を絵にすること。その次に、それぞれの種の解説。小学生にも利用してほしいということで、ここが一番苦労しました。そうして、十二月脱稿、印刷屋へとなりました。

完成後は広く配布し、活用していただこうと考えています。町内各図書館・小学校・中学校・高等学校・各種公共施設・網走管内の博物館等。特に、小・中学校へは、できればクラス単位で利用できる数を配布し、様々な場面で活用していただければと考えています。
こうして、多くの方々に利用いただくことで、植物や自然郷土への関心を高めていただけるものと期待しています。

平成二十四年(二〇一二年)三月三十一日


オホーツク管内の身近な植物を絵画出絵画で解説した
遠軽町の野生植物ガイドブック